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散歩の功罪

 夜の散歩を初めて4ヶ月になるが、いくつか効用を発見した。体重が減るとか体型がスマートになるとか当たり前のようだが、私の場合はそういう点ではほとんど見るべき変化はない(笑)。だが、そのかわり予想していなかった変化がいくつかある。

 まず歩くのが早くなった。毎日歩いているのだからこれは当然かもしれない。私の散歩は時速約6km。年齢の割には速い方だと思う。この間は夕方青山通りを歩いている時、つい早足になって腕を振って胸を張っていつもの夜の散歩調になったら、学生風の男性が後ろから来て追い越して行った。――「なんだ遅いじゃないか」と言うなかれ。彼は私の右脇を追い越すなりすぐ左に入り、つまり私の真正面を私の進路を遮るように歩き出した。私を挑発したのだ。つまり、私の歩き方は「使い手」(歩きのセミプロ)を刺激するだけのものがあったということだ。私はそのときむろん彼に離されないようにさらにスピードをアップしたのだが、なにせ大きめの荷物があったので、追い越すところまでは行かなかった。そのうち彼は国連大学の前を青山学院方向に歩道を渡ってしまったのだった。……つまり「歩き手」はお互いを意識している。私も「使い手」を前方に見つけたらきっと追いついてさらには追い越したくなるだろう(笑)。……車での場合ほどの危険はないから、チャレンジしても許されるに違いない。
 次に姿勢がよくなった。体型の変化よりもこっちの方が周囲には目立つようだ。年寄り臭く猫背に脱力した姿勢で歩くのではなく、胸を張って背筋を伸ばしてスタスタ歩くようになったので、若返った印象になったようだ。私同様メタボ気味のアメリカ人の友人は私の変化を察知して「モウトモダチジャナイ…」と寂しそうにつぶやいて見せた(笑)。
 そして、夜よく寝られるようになった。散歩をして風呂に入ってからベッドに入るのだから当然だろう。すぐ寝られる。その代わり寝床で本を読むことはできなくなった。読み始めてもすぐ本を落としてしまうからだ。
 それから腰痛が緩和した。姿勢がよくなったこと、足腰、さらには上体にも適度な筋肉がついたことによるのだろう。調子悪かったときには週に一二度は「牽引」を受けに整形外科に通ったものだが、最近は行くのをよく忘れる。行く必要を感じるほど不調にならないからだ。散歩をすることで腰痛がよくなるとは予想していなかった。うれしい誤算だ。
 
 マイナスがないわけではない。夜の自由に使える時間が大幅に減ったことが最も痛い。散歩の45分間は他のことができないからだ。特にこのブログを書くための時間が大幅に減った。今までのペースを維持することは難しくなった。それでも三日に一本は書くようにしているのだから大したもんだ(自画自賛 笑)。
 第二のマイナスは―ーこっちの方が重大かもしれない―ー先ほども触れたが、読書時間が減った。寝る前のベッドでの数十分は貴重な読書時間だったのだ。散歩以来なかなか一冊を読み終えることができない。買う方のペースは変わらないので、未読の本が枕元にたまっている。もう山が五つもできた。冊数は……数えたくない(笑)。でもおかげで視力の低下が遅れるかもしれない。だとするとこれはプラスなのかも!

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